歯の神経保存療法について|赤坂ONO Dental Clinic|赤坂駅の歯医者・土日診療

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医療コラム

歯の神経保存療法について|赤坂ONO Dental Clinic|赤坂駅の歯医者・土日診療

歯の神経保存療法について

一般的な歯科治療ではできる限り歯の神経を残す試みをします。

神経を取り除いた歯には多くのデメリットがあるためです。

 

神経を取り除いた歯のデメリット

・一般的に生存率は5~30年に短くなると言われています。幅があるのは口腔内状況、歯種、他の歯の残存状態、噛み合わせの力のかかり具合、ブリッジの支台歯になっていないかなど歯の状況により大きく変化するためです。

・神経のある歯の根では破折は稀ですが、神経を取り除いた歯は脆くなるため歯根破折を起こしやすくなります。

(35歳以上の歯を失うケースの10%は歯根破折、神経のない歯の喪失リスクは前歯は約2倍、奥歯は約7.5倍と報告されています。)

・感染に対しての免疫反応の喪失。歯が感染しても神経がないので痛みなどの明確な症状が発現しにくいため発見が遅くなり、感染の悪化が進むことが多く、感覚や痛みの鈍化により噛む感覚が鈍化するため歯に不必要に力を加えてしまいます。

・冷温感覚がなくなります。

・神経を取り除くことで歯の変色を招きます。

 

 

神経処置は根の中の感染が少ない場合でも80~90%の成功率と言われており、必ずしも治癒する保証はありません。

 

神経への感染は不可逆的であり元には戻りません、感染した部位は除去が必要となります。通常は抜髄を行いますが偶発的な露髄や一部性の感染の場合、露髄した部位の封鎖や一部の感染歯髄除去のみを行い根の歯髄を保存する方法があります。

これを直接覆髄や断髄と言います。

 

〖直接覆髄・断髄〗

【メリット】

・直接覆髄を行った歯は正常な歯とほぼ変わらなく使用できます。

・根の部分が脆くならない、破折しにくい。

・感覚が残ります。

・根が完成していない場合は根の成長が失われません。

・免疫反応があります。

 

【デメリット】

・処置可能な症例は限られます。感染の度合いによっては神経の除去しなければならない場合もあります。

・感染した神経取り残し(視認できないため)、神経の一部を切り取る刺激により神経自体が壊死する可能性があります。

・処置後に痛みが発症した場合は再度治療が必要となります。

神経の生死の判定に長期の予後を見なければならない。神経が壊死しても症状は発現しにくいので長期の予後で確認しなければなりません。

・歯冠部歯髄を除去した場合、歯の変色することが多く、歯冠が割れやすくなるためかぶせものになります。

 

【治療】

《直接覆髄》

虫歯を除去し、偶発的に点状露髄した場合は周りに感染歯質を認めなければ、止血しレーザーで滅菌、MTAを充填し終了となります。

(この場合は全ての神経が保存されます。)

《断髄》

虫歯を除去し、神経の一部感染を認めた場合は、感染部分又は歯冠部歯髄を除去し、止血、レーザー滅菌。その後にMTAを充填します。

歯冠部歯髄を除去した場合はその後に被せ物を装着します。

 

MTA:強アルカリ性(ph12)の性質を持つほとんどの細菌を死滅させる事ができます。密封性が高く、生体親和性が高い。

 

 

【料金】

直接覆髄 ¥22.000

断髄 ¥44.000

 

 

この治療は以前より行われてきた治療でありますが長期的に見たときに歯髄の壊死や再感染などの可能性があり、必ずしも神経を残せる訳ではありません。

近年、歯科材料や機材の進歩により成功率が格段に向上しましたが、それでも疑念を示す歯科医がいるのも事実です。

歯髄保存療法は素晴らしい治療法ですが、デメリットもあります。これらのことを、十分に理解して治療を受けてください。

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