骨粗鬆症でもインプラントはできる?BP製剤のリスクと治療の進め方を解説
- 2026年9月2日
- インプラント
- ◦ 目次
- ▸ 骨粗鬆症でインプラントを検討するときに感じる不安
- ◦ 「骨がもろいと治療できないのでは?」という心配
- ◦ 薬を飲んでいるから治療できないかもしれない、という不安
- ◦ 担当医や歯科医師にどう相談すればよいかわからない
- ▸ 骨粗鬆症がインプラント治療に影響する仕組み
- ◦ インプラントが定着するために必要な「骨結合」とは
- ◦ 骨量が不足している場合の対応方法
- ▸ 骨粗鬆症の薬とインプラント|BP製剤・抗RANKL抗体薬のリスク
- ◦ ビスフォスフォネート系薬剤(BP製剤)とは
- ◦ 顎骨壊死(MRONJ)とはどのような状態か
- ◦ 休薬(シケーション)の考え方と最新ガイドラインの方針
- ▸ 骨粗鬆症がある場合のインプラント治療の進め方
- ◦ ステップ1:現在の服用薬・全身状態を正確に伝える
- ◦ ステップ2:CTによる骨量・骨質の精密評価
- ◦ ステップ3:リスクと選択肢をわかりやすく説明・患者様が選ぶ治療
- ◦ インプラント以外の選択肢も合わせて検討する
- ▸ 赤坂ONO Dental Clinicのインプラントへの取り組み
- ▸ よくある質問(FAQ)
- ◦ 📋 この記事のまとめ
- ◦ インプラントと骨粗鬆症について、まずはご相談ください
- ◦ 監修:赤坂ONO Dental Clinic 院長 小野 雄大(おの たけひろ)
「骨粗鬆症と診断されているけれど、インプラント治療を受けることはできるの?」と不安に感じている方は少なくありません。
結論からお伝えすると、骨粗鬆症であっても、状態や服用薬によってはインプラント治療が可能なケースがあります。ただし、服用中の薬の種類や骨密度の状態、全身的な健康状態によって対応が大きく異なるため、事前に担当医・歯科医師と十分に情報共有を行うことが重要です。特にビスフォスフォネート系薬剤(BP製剤)などを服用している場合には、顎骨壊死というリスクについて正しく理解しておく必要があります(個人差があります)。この記事では、骨粗鬆症とインプラントの関係、注意すべきポイント、治療の進め方について、わかりやすく解説します。
- 骨粗鬆症でもインプラント治療を受けられる条件・目安がわかる
- 骨粗鬆症の薬(BP製剤など)とインプラントの関係・リスクがわかる
- 治療前に確認すべきこと・医師への相談ポイントがわかる
骨粗鬆症でインプラントを検討するときに感じる不安
「骨がもろいと治療できないのでは?」という心配
インプラントは顎の骨にチタン製の人工歯根を埋め込む治療法です。そのため、「骨粗鬆症で骨がもろくなっているなら、インプラントはそもそも無理ではないか」と考える方が多いのは自然なことです。
しかし、骨粗鬆症という診断だけでインプラント治療が受けられないわけではありません。骨粗鬆症の程度や部位、治療中の薬剤の種類・投与期間などを総合的に判断したうえで、対応可能かどうかを検討していきます。
大切なのは「骨粗鬆症がある=インプラント禁忌」と一律に決めつけず、歯科医師と主治医が連携しながら安全に進められる条件を確認することです。
薬を飲んでいるから治療できないかもしれない、という不安
骨粗鬆症の治療薬として広く使用されているビスフォスフォネート系薬剤(以下、BP製剤)は、顎骨壊死(がくこつえし)と呼ばれる合併症リスクと関連していることが知られています。
この情報をネットで調べて「やっぱり自分はインプラントができない」と諦めてしまう方もいますが、BP製剤の投与方法(経口か静脈注射か)・投与期間・骨折リスクの有無などによってリスクは大きく異なります。すべての方に同じリスクがあるわけではなく、個人差があります。
担当医や歯科医師にどう相談すればよいかわからない
「内科の先生に歯の話をしてもいいのか」「歯科医師に薬の話をどこまでするべきか」と迷う方も多くいます。インプラント治療を安全に進めるためには、内科・整形外科などの主治医と歯科医師の情報共有が欠かせません。お薬手帳を持参するなど、服用している薬を正確に伝えることが重要なスタート地点です。
骨粗鬆症がインプラント治療に影響する仕組み
インプラントが定着するために必要な「骨結合」とは
インプラントの成功は、埋め込んだチタン製フィクスチャー(人工歯根)と顎骨がしっかり結合する「骨結合(オッセオインテグレーション)」にかかっています。この骨結合がうまく起こらないと、インプラントが安定せず、抜け落ちてしまうリスクがあります。
骨粗鬆症では、骨の密度(骨密度)が低下しているため、この骨結合に時間がかかったり、定着の安定性に影響を及ぼす可能性があります。ただし骨密度が低いことが直接的に失敗の原因になるとは限らず、顎骨の状態・位置・骨量を精密に評価したうえで判断することが重要です(個人差があります)。
①骨結合(オッセオインテグレーション)に時間がかかる場合がある。②骨が薄い・少ない場合、埋め込み位置や角度の選択肢が限られる場合がある。③骨量が著しく不足している場合は、骨造成(GBR法など)などの追加処置が必要になることがある。いずれも個人の骨の状態によって対応が異なります。
骨量が不足している場合の対応方法
顎骨の量が不十分な場合、骨造成術(GBR法:骨誘導再生法)やソケットリフト、サイナスリフトといった処置で骨の量や高さを補う方法があります。ただし、骨粗鬆症がある場合はこれらの処置を行う前に、服用薬との関係を含めてより慎重な事前評価が必要です。
赤坂ONO Dental Clinicでは、CTスキャンによる精密な骨量・骨質の評価を行ったうえで、治療方針を患者様と一緒に検討しています。
①顎骨の骨量・骨密度(CT撮影による3次元的評価)。②骨粗鬆症の重症度と現在の治療状況(骨折リスクのレベル)。③服用中の薬の種類・投与方法・投与期間(特にBP製剤・抗RANKL抗体薬)。④全身的な健康状態(糖尿病・免疫疾患などの有無)。これらを主治医と歯科医師が連携して確認することが重要です。
骨粗鬆症の薬とインプラント|BP製剤・抗RANKL抗体薬のリスク
ビスフォスフォネート系薬剤(BP製剤)とは
BP製剤はカルシウムの溶出を抑えて骨を守る薬で、骨粗鬆症や悪性腫瘍の骨転移に対して使用されます。経口薬と静脈注射薬(点滴)の2種類があり、静脈注射薬のほうが一般的に顎骨壊死のリスクが高いとされています。
骨粗鬆症の治療目的で使われる経口BP製剤(アレンドロン酸など)については、使用期間が短い(おおむね3年未満)場合は低リスクとされていますが、長期服用例では注意が必要です。なお、リスクの程度は個人差があります。
顎骨壊死(MRONJ)とはどのような状態か
薬剤関連顎骨壊死(MRONJ:Medication-Related Osteonecrosis of the Jaw)とは、BP製剤や抗RANKL抗体薬(デノスマブ)などの投与を受けている患者で、抜歯やインプラント埋入などの外科処置後に顎骨が壊死する状態です。
代表的な症状として、口の中の骨が露出する、痛み・腫れ・排膿が続くなどがあります。発症すると治療が長期化する場合があるため、外科的な歯科処置を行う前に必ずリスク評価を行うことが重要です。
①静脈注射によるBP製剤・デノスマブの使用。②経口BP製剤の長期服用(3年以上が目安とされる場合が多い)。③糖尿病・ステロイド使用・喫煙・飲酒などの全身的リスク因子の存在。④口腔内の感染・歯周病の存在。これらの要因が重なるほどリスクが高まる可能性があります(個人差があります)。外科処置前に担当医・歯科医師への情報共有が不可欠です。
休薬(シケーション)の考え方と最新ガイドラインの方針
以前は「BP製剤を一定期間休薬してからインプラント治療を行う」という考え方が広く採られていました。しかし現在の国際的なガイドラインでは、経口BP製剤の短期服用・低リスク例では必ずしも休薬を必要としないとする見解も示されています。
休薬の判断は、骨粗鬆症の治療を担当する主治医との協議が前提です。骨折リスクが高い患者様の場合、無断で休薬することは骨折リスクを高める危険があるため、歯科医師と内科・整形外科医が連携して判断することが大切です。
注意:BP製剤やデノスマブを服用中の方がインプラント・抜歯などの外科処置を受ける場合は、必ず事前に歯科医師へお薬手帳を含め服用薬をお伝えください。自己判断での休薬は骨折リスクを高める場合があります。主治医と歯科医師の連携のもとで対応方針を決めることが重要です。
骨粗鬆症がある場合のインプラント治療の進め方
ステップ1:現在の服用薬・全身状態を正確に伝える
インプラント相談の初診時に、お薬手帳を持参して服用中の薬を正確に伝えることが最初の重要なステップです。骨粗鬆症の薬だけでなく、他に服用している薬(血液をサラサラにする薬・ステロイドなど)もすべて伝えてください。
歯科医師はこの情報をもとに、主治医に対して「歯科外科処置が可能かどうか」を照会する診診連携(医科歯科連携)を行う場合があります。これは患者様の安全を守るための大切な手続きです。
ステップ2:CTによる骨量・骨質の精密評価
骨粗鬆症の有無にかかわらず、インプラント治療前にはCT撮影によって顎骨の骨量・骨質・骨の形態を3次元的に確認します。骨粗鬆症がある場合はさらに丁寧に評価を行い、埋め込みが可能な位置・角度・長さのインプラントを選定します。
骨量が不足している場合は、骨造成術の必要性や実施の可否についても、全身状態を踏まえて慎重に検討します。
ステップ3:リスクと選択肢をわかりやすく説明・患者様が選ぶ治療
骨粗鬆症がある場合のインプラント治療には、一般的なケースよりも丁寧な説明とインフォームドコンセント(十分な説明と同意)が求められます。インプラント以外の選択肢(入れ歯やブリッジなど)のメリット・デメリットも合わせて提示し、患者様ご自身が十分に理解したうえで治療を選択できるよう支援します。
「インプラントを勧められたから仕方なく」ではなく、患者様が納得して選んだ治療を行うことが、長期的に良好な結果につながります。
✔ 骨粗鬆症でインプラントが検討できるケース(目安)
- 経口BP製剤の服用期間が短く(3年未満が目安)、骨折リスクが低い場合
- 主治医の同意・連携が得られる場合
- CT評価で顎骨の骨量・骨質が一定水準以上ある場合
- 口腔内の感染・歯周病がコントロールされている場合
- 喫煙・糖尿病などのリスク因子が少ない場合
⚠ より慎重な対応が必要なケース(目安)
- 静脈注射によるBP製剤・デノスマブを使用している場合
- 経口BP製剤を3年以上服用している場合
- 糖尿病・免疫抑制剤・ステロイドを使用している場合
- 顎骨の骨量が著しく不足している場合
- 喫煙習慣・コントロール不良の糖尿病がある場合
上記はあくまで一般的な目安です。個人差があるため、実際の判断は歯科医師・主治医の評価によります。
インプラント以外の選択肢も合わせて検討する
骨粗鬆症のリスク評価の結果、インプラントよりも入れ歯やブリッジが適していると判断されるケースもあります。大切なのは「インプラントありき」ではなく、患者様の全身状態に合った最善の選択を一緒に探すことです。
当院では、インプラントだけでなく、補綴治療(かぶせもの・入れ歯)など複数の選択肢を提示し、それぞれのメリット・デメリットをお伝えしたうえで、患者様に治療を選んでいただく方針をとっています。
赤坂ONO Dental Clinicのインプラントへの取り組み
東京都港区赤坂にある赤坂ONO Dental Clinicでは、インプラント治療を検討される患者様に対し、全身状態の確認から精密な事前評価、丁寧な説明まで一貫して対応しています。
- CTによる精密な骨量・骨質評価|インプラント埋入前に歯科用CTで顎骨を3次元的に確認。骨粗鬆症がある場合もCT画像をもとに丁寧にご説明します
- マイクロスコープによる精密治療|肉眼では確認しにくい細部まで高精度に対応。治療の精度向上に取り組んでいます
- 信頼性の高いインプラントメーカーを使用|アストラ(Astra Tech)およびネオデント(Neodent)を採用。長期的な実績と安全性が評価されているメーカーです
- 医科歯科連携への対応|骨粗鬆症などで主治医との連携が必要な場合、情報共有・照会に対応しています
- 夜間・土日診療で通いやすい環境|平日は月・水・木曜22時まで、土・日曜は18時まで診療。赤坂駅徒歩1分で港区周辺のビジネスパーソンにもご利用いただきやすい立地です
よくある質問(FAQ)
骨粗鬆症の薬を飲んでいますが、インプラントはできませんか?
骨粗鬆症でインプラントではなく入れ歯やブリッジを選んだほうがよいですか?
インプラントの相談だけでも診てもらえますか?
📋 この記事のまとめ
- 骨粗鬆症という診断だけでインプラントが受けられないわけではなく、薬の種類・期間・骨量などを総合的に評価して判断する
- BP製剤(特に静脈注射薬)やデノスマブを使用中の場合は顎骨壊死(MRONJ)リスクへの注意が必要で、主治医と歯科医師の連携が重要
- インプラント治療前にCTによる精密な骨量・骨質評価を行い、骨粗鬆症の状態に合わせた方針を立てることが大切
- インプラント以外の選択肢(入れ歯・ブリッジ)のメリット・デメリットも合わせて検討し、患者様が納得して治療を選ぶことが長期的な成功につながる
- お薬手帳を持参し、服用中の薬をすべて歯科医師に伝えることが安全な治療の第一歩




「歯科治療は怖い・痛いというイメージをお持ちの方も多いと思います。私自身、歯科医師になる前に歯科治療で苦労した経験があり、できる限り患者様の負担を減らし、寄り添った治療を行いたいと考えています。骨粗鬆症があるからインプラントは無理、と最初から諦める前に、まずは現在の状態を一緒に確認させてください。口腔内写真やCTを見ながら、お体の状況に合わせた治療の選択肢をわかりやすくお伝えします。押しつける治療は一切行いません。患者様が納得して選んだ治療を、一緒に進めていきたいと思っています。」
―― 赤坂ONO Dental Clinic 院長 小野 雄大(おの たけひろ)