インプラントは何年もつ?保証期間と実際の寿命の違いを歯科医が解説
- 2026年2月27日
- インプラント
インプラントの実際の寿命と保証期間の違い
インプラント治療を検討されている方から、よく「インプラントは何年もつのか」という質問をいただきます。
インプラントの平均寿命は10〜15年といわれていますが、実際には適切なメンテナンスを行うことで20年以上もつケースも少なくありません。厚生労働省の調査によると、インプラントの10〜15年後の生存率は上顎で約90%、下顎で約94%という結果が出ています。
一方で、保証期間は「インプラントが破損した際に無料または部分的な負担で再治療を受けられる期間」を指します。多くの歯科医院では5〜10年の保証期間を設けていますが、これは「インプラントが5〜10年しかもたない」という意味ではありません。
保証期間と実際の寿命は別物です。保証期間が過ぎても、インプラントは正常に機能し続けることが一般的です。

入れ歯やブリッジとの寿命比較
インプラントの寿命を理解する上で、他の治療法との比較は重要です。
各治療法の平均寿命
ブリッジの寿命は7〜8年、入れ歯は4〜5年といわれています。インプラントの10〜15年という寿命は、これらの治療法と比較して明らかに長いことがわかります。
ある研究では、インプラント治療を受けた61名とブリッジ治療を受けた66名を同じ条件で追跡調査しました。その結果、インプラントは10年を超えても92%以上が生存していたのに対し、ブリッジは8年を超えたところで約半分が失われていました。
長持ちする理由
インプラントが長持ちする理由は、独立した歯として機能するためです。ブリッジのように隣の歯を削る必要がなく、入れ歯のように他の歯に金具をかける必要もありません。
残っている歯に負担をかけないため、お口全体の健康を守ることにもつながります。
ただし、ブリッジがダメになるということは、土台の歯にも問題が起きるということです。インプラントがダメになっても失うのはそのインプラントだけですが、ブリッジの場合はより多くの歯を失う可能性があります。
前歯と奥歯でのインプラント寿命の違い
インプラントの寿命は、埋入する部位によっても異なります。
上顎と下顎の違い
厚生労働省の調査によると、10〜15年後の生存率は上顎で約90%、下顎で約94%です。下顎のほうがわずかに生存率が高い傾向にあります。
これは、下顎の骨のほうが密度が高く、インプラントが安定しやすいためと考えられます。
前歯と奥歯の負担の違い
奥歯は噛む力が強くかかるため、インプラントへの負担も大きくなります。一方、前歯は審美性が重視される部位であり、噛む力は奥歯ほど強くありません。
ただし、前歯は見た目の変化が目立ちやすいため、定期的なメンテナンスがより重要になります。
骨移植を伴うケースや抜歯後すぐにインプラントを埋入したケースでは、生存率が87〜92%程度と報告されています。

インプラントの保証制度の詳細
保証制度を理解することは、安心してインプラント治療を受けるために重要です。
保証期間の一般的な設定
多くの歯科医院では、インプラント本体に対して10年、上部構造(人工歯)に対して5年の保証を設けています。保証期間内であれば、破損や脱落が起きた場合に無料または部分的な負担で再治療を受けられます。
ただし、保証期間の設定は歯科医院によって異なります。「インプラント埋入後の5年間は無償保証だが、5〜10年間は有償保証」というように、年数によって負担額が変わる場合もあります。
保証が適用される条件
保証を受けるためには、いくつかの条件をクリアする必要があります。一般的な条件は以下の通りです。
- 保証期間内であること
- 指定期間内にメンテナンスを受けていること
- 日常生活の範囲内での破損や脱落であること
- 禁煙など歯科医師からの指示を守れていること
特に重要なのが、定期的なメンテナンスを受けているかどうかです。メンテナンスを怠ると、保証の対象外となることがあります。
保証が適用されないケース
以下のような場合は、保証の対象外となることがあります。
- 保証期間を過ぎている
- 定期的なメンテナンスを受けていない
- 交通事故や自然災害など予期せぬトラブルが発生した
- 歯科医師の指示を守れていなかった(喫煙など)
- 保証対象外の歯科医院で治療を受けた
喫煙者がインプラント治療をしても、1年以内に脱落するリスクが約2倍に上がるとされています。禁煙の指示を守れていない場合は、保証対象外となることが一般的です。

インプラントを長持ちさせるための秘訣
インプラントの寿命は、日々のケアとメンテナンス次第で大きく変わります。
定期的なメンテナンスの重要性
インプラント治療は「埋入して終わり」ではありません。埋入したインプラントをよい状態に維持し続けるためには、歯科医院での定期的なメンテナンスが欠かせません。
一般的には、4ヵ月に1度のペースでメンテナンスを受けることが推奨されています。メンテナンスでは、口腔内のチェック、かみ合わせの調整、歯の清掃、生活指導、ブラッシング指導などが行われます。
インプラント周囲炎の予防
インプラントは虫歯になることはありませんが、歯周病(インプラント周囲炎)にはかかります。インプラント周囲炎は、インプラントの周りの歯茎が炎症を起こし、最悪の場合インプラントが抜け落ちる原因となります。
インプラント周囲炎を発症すると、インプラントの生存率が格段に下がります。予防のためには、徹底したプラークコントロールが必要です。
日常のセルフケア
基本的には、通常のブラッシングに加え、歯間ブラシや専用の薬液を使用することが推奨されます。インプラントのメンテナンスは通常の歯磨きとは異なるため、専門性の高い歯科衛生士から適切なブラッシング指導を受けることが大切です。
毎日のお手入れに始まり、定期メンテナンスに通っていただくことが、インプラントを長持ちさせる秘訣です。

まとめ
インプラントの平均寿命は10〜15年ですが、適切なメンテナンスを行うことで20年以上もつケースも少なくありません。保証期間は5〜10年が一般的ですが、これは「インプラントがその期間しかもたない」という意味ではなく、「その期間内に破損した場合に保証を受けられる」という意味です。
入れ歯やブリッジと比較して、インプラントは明らかに長持ちする治療法です。ただし、その寿命は日々のケアと定期的なメンテナンス次第で大きく変わります。
インプラント周囲炎を予防し、歯科医師の指示を守ることが、インプラントを長持ちさせるために最も重要です。
赤坂ONO Dental Clinicでは、インプラント治療後の定期的なメンテナンスを重視しています。カウンセリングを通じて、患者様一人ひとりに合わせた治療計画とメンテナンスプランをご提案しています。
インプラント治療をご検討の方、メンテナンスについてご不安な方は、ぜひお気軽にご相談ください。詳細はこちら:赤坂ONO Dental Clinic
監修者プロフィール
院長 小野 雄大(おの たけひろ)先生

略歴
– 2015年3月:岩手医科大学 歯科医師臨床研修 修了
– 医療法人(秋田)、岩手医科大学放射線科、神奈川県内医療法人などで幅広く勤務
– 2024年2月:赤坂ONO Dental Clinic 開業
診療スタンス
– 丁寧なカウンセリングを重視し、口腔内写真やレントゲンを用いて現在の状態をしっかり説明
– 患者さまに治療内容のメリット・デメリットを理解していただいた上で選択してもらう治療方針を実践
– 自身も歯科治療の経験があることから、「患者さまに寄り添う治療」を大切にしている

