根管治療
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TEL. 03-6807-4668
根管治療
歯の根の治療は、歯の土台をとなる治療です。
土台の状態が良くなければセラミックやジルコニアなどの高額なかぶせものをいれても、いずれ抜歯となってしまいます。
歯の根の中の根管(神経のある管)は歯種によって1~4根管存在します、特に臼歯部(奥歯)は複数の根管が存在し、中には非常に細く目視では認識できない根管もあります。その根管を見逃してしまうとそこから感染を引き起こし数か月から数年後に再度治療又は抜歯を行わなければいけません。
また、根管内には側枝(根管内に存在する細い管)が存在し、特に根尖部では多くの側枝が枝分かれしています。それらの側枝にも最終的に充填しなければ再感染の原因となります。
全ての症例ではありませんが、レントゲン上ではCTにて確認、治療ではマイクロスコープにて確認しなければ治せないこともあります。ひと昔のように短時間での治療では根管の見逃しや虫歯を取りきれていないことも多いので、その瞬間は痛みもなくなり一見治ったかに見えますが、後日の再発が多いようです。
保険治療では根の治療はとても点数が低いので多くの時間をかけるのは少し難しいということも事実ではあります。根の治療で最良の方法は、自費になりますが専門の先生に治療してもらうことです。それでは少し高額で厳しいという方は、一般歯科でも少なくともCT、マイクロスコープを完備している歯科での治療をお勧めします。
また、最終的な根の詰め物は保険でよく使用されるユージノール系シーラー+GPではなく少し高めでもMTAによる根管充填をお勧めします。ユージノール系シーラー+GPでは根管に隙間ができやすいので再発の可能性が高くなってしまいますが、MTAは殺菌効果と充填後に膨張しますので根管内の隙間を埋めて菌の増殖を抑え再発率が下がります。
当院では根の治療をできる限り良い材料で治療し、ご自身の歯を長く使っていただきたいので、MTAをできるかぎり低価格にて提供しています。
当院では、マイクロスコープ、歯科用CT、ニッケルチタンファイル、MTAセメント、超音波治療器など、現在、根管治療に有用とされている設備(材料)や技術を積極的に導入し、より精密な根管治療を行っています。
根管治療で重要なのは精密性です。縫い針程度の太さしかない根管内を掃除する治療であり、細かい処置の連続でミクロン単位の正確さが求められます。歯を削り過ぎると、歯の根が折れてしまうリスクが高くなりますし、洗浄や消毒が不完全であると、細菌感染の再発リスクが高まります。これまで根管内部の治療は、歯科医師の「経験」や「勘」を頼りに手探りで行っていましたが、マイクロスコープの登場により、小さなものを大きく拡大して、1つ1つの繊細な処置を目で見て確実にできるようになりました。従来と比較すると、圧倒的に精密で質の高い治療を行うことができます。
当院では視野を80倍にまで拡大できる「マイクロスコープ」を導入し、より精密で確実な根管治療をめざしています。
歯科用CTは3次元の立体画像で歯のレントゲンを撮ることができる装置です。根管は複雑な形状であるうえ、歯によっては数本に分岐しています。根管の清掃・消毒を確実に行うためには、まず根管の構造や病巣の位置・大きさを正確に把握することが重要となります。その診査診断に役立つのが歯科用CTです。平面のレントゲン画像では確認できない細部も、歯科用CTの立体画像なら詳細に把握できるため、より一層精密な診査診断、治療が可能になります。
根管治療では、歯髄を除去するためにファイルと呼ばれる器具を使用します。このファイルには、一般に用いられるステンレスファイルと、ニッケルチタンファイルがあります。曲がりくねっている根管を掃除する際、ステンレスファイルでは硬すぎるために深部に入っていかずに、根管を傷つけてしまうことがありますが、ニッケルチタンファイルは超弾性の性質を持ち、曲がった根管にそってしっかり入っていきます。根管を不必要に傷つけることなく、精密に歯髄の除去が可能です。ただし、強度が弱く、施術者には破折を避ける熟練が求められます。
根管治療の最後の仕上げに根管充填があります。歯髄を抜き取った根管内を緊密に塞ぐ処置ですが、隙間なく塞ぐことができなければ、数年後、これが原因となり再び細菌感染を起こしてしまうことがあります。一般的な根管治療ではガッタパーチャという酸化亜鉛を多く含むゴム状の樹脂で隙間を塞ぎますが、根管内に穿孔(穴)や根先端部の破壊などが見られるケースではガッタパーチャでは治療が難しく、そこから感染して周囲の骨の吸収や歯ぐきの腫れや痛みを引き起こしてしまうことがあります。ガッタパーチャと比較し格段に辺縁封鎖性に優れたMTAセメントであれば、このようなケースでも細菌の侵入を防ぐことが可能です。生体親和性が良く、高い殺菌作用や歯の組織を再生させる効果(再石灰化促進作用)を有しているため治療後の経過が良好になります。
マイクロスコープ下の根管治療では、肉眼やルーペ下とは異なり、根管の細部までしっかり見えます。そのため、根管内部の細かい汚染物を除去したり、消毒薬を活性化させたりするために超音波治療器は不可欠です。
歯の神経が細菌に侵され痛みが生じている場合、適切な根管治療と薬剤の充填によって治療が可能ですが、なかには通常の根管治療では回復が見込めない症例もあります。たとえば、根管が細く(あるいは塞がっている)患部に器具が届かなかったり、亀裂があり密封が不可能であったりするケースです。このような場合は歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ)などの外科的処置が検討されます。病巣のある根の先を切り取ってしまう、いわば歯の命を救うための最後の手段です。ただし、この施術によっても治る見込みが少ない場合は、適応外となることもあります。
根管治療は、重度のむし歯を抜歯することなく本来の歯の機能を取り戻す治療です。精密で質の高い根管治療をめざす当院に是非一度ご相談ください。