将来インプラントに頼らないために今できること|今日から始める5つの予防習慣
- 2025年12月16日
- 予防歯科
インプラント治療を避けるために、今すぐ始めるべき理由
歯を失ってからインプラント治療を検討する方は少なくありません。
しかし、インプラントは優れた治療法である一方で、外科手術を伴い、費用も高額になります。何より大切なのは、「自分の歯を守ること」です。天然の歯に勝るものはありません。歯を失う主な原因は「歯周病」と「むし歯」であり、これらは日々の予防習慣で防ぐことができます。厚生労働省の調査によれば、日本人が歯を失う原因の約4割が歯周病、次いでむし歯が続きます。つまり、適切なケアを続ければ、将来インプラントに頼る必要性を大幅に減らせるのです。
この記事では、赤坂ONO Dental Clinicの院長として多くの患者様と向き合ってきた経験をもとに、将来インプラントに頼らないために今日から実践できる5つの予防習慣をご紹介します。

歯を失う原因を理解する〜予防の第一歩
予防を始める前に、なぜ歯を失うのかを知ることが重要です。
日本人が歯を失う主な原因は以下の通りです。歯周病が最も多く、全体の約4割を占めています。歯周病は歯を支える骨が溶けていく病気で、進行すると歯がぐらつき、最終的には抜け落ちてしまいます。次に多いのがむし歯で、深く進行すると歯の神経を失い、最終的には抜歯が必要になります。さらに、神経を抜いた歯は脆くなり、歯根破折のリスクが高まります。歯根破折は再治療が困難なため、多くの場合抜歯となります。
これらの原因に共通するのは、「予防可能である」という点です。
歯周病もむし歯も、細菌感染が原因で発生します。口腔内の細菌を適切にコントロールし、定期的な歯科検診を受けることで、これらのリスクを大幅に減らすことができます。また、喫煙や糖尿病などの生活習慣も歯周病のリスクを高めるため、全身の健康管理も重要です。
インプラント周囲炎のリスクも知っておく
仮にインプラント治療を受けた場合でも、メンテナンスを怠ると「インプラント周囲炎」という問題が発生します。
インプラント周囲炎は、天然歯の歯周病と似た仕組みで起こる炎症です。インプラントには神経がないため痛みを感じにくく、気づいたときには重症化していることも少なくありません。放置すると、インプラントを支える骨が溶け、せっかく埋入したインプラントが抜け落ちる恐れがあります。つまり、インプラント治療後も継続的なケアが必須なのです。
予防習慣1〜毎日の正しい歯磨きとフロス習慣
最も基本的で、最も重要な予防習慣が「正しい歯磨き」です。
多くの方が毎日歯を磨いていますが、正しい方法で磨けている方は意外と少ないのが現実です。歯ブラシだけでは歯と歯の間の汚れを約40%しか除去できないといわれています。そのため、デンタルフロスや歯間ブラシの併用が不可欠です。フロスを使うことで、歯と歯の間に溜まった歯垢を効果的に除去でき、むし歯や歯周病のリスクを大幅に減らせます。
効果的な歯磨きのポイント
歯磨きは「時間」よりも「質」が重要です。
以下のポイントを意識してください。まず、歯ブラシは鉛筆を持つように軽く握り、力を入れすぎないようにします。強く磨くと歯や歯ぐきを傷つけてしまいます。次に、歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目に45度の角度で当て、小刻みに動かします。一本一本丁寧に磨くイメージで、奥歯や歯の裏側も忘れずに磨きましょう。
デンタルフロスは、1日1回、できれば就寝前に使用するのが理想的です。
フロスを歯と歯の間にゆっくり通し、歯の側面に沿わせてC字型に動かします。歯ぐきを傷つけないよう、優しく丁寧に行いましょう。最初は慣れないかもしれませんが、習慣化すれば数分で終わります。当院でも患者様一人ひとりに合った歯磨き指導を行っており、正しいケア方法をお伝えしています。

予防習慣2〜定期的な歯科検診とプロフェッショナルケア
どんなに丁寧に歯磨きをしても、完全に汚れを除去することは困難です。
そのため、定期的な歯科検診とプロフェッショナルクリーニングが欠かせません。歯科医院では、歯科衛生士が専用の器具を使って歯石を除去し、歯の表面を磨き上げます。歯石は歯ブラシでは取れないため、定期的に除去する必要があります。また、検診では初期のむし歯や歯周病を早期発見でき、大きな治療を避けることができます。
どのくらいの頻度で通うべきか
一般的には、3〜6ヶ月に1回の検診が推奨されています。
ただし、歯周病のリスクが高い方や、過去に歯周病治療を受けた方は、より短い間隔でのメンテナンスが必要です。赤坂ONO Dental Clinicでは、患者様の口腔状態に応じて最適なメンテナンス間隔をご提案しています。定期検診では、口腔内写真やレントゲンを撮影し、現在の状態を詳しく説明します。視覚的に確認することで、ご自身の口腔状態を理解しやすくなります。
プロフェッショナルケアには、歯石除去だけでなく、歯周ポケットの測定や歯ぐきの状態チェックも含まれます。
これにより、歯周病の進行を早期に発見し、適切な対応が可能になります。また、当院ではタンサンジェットという最新機器を使用し、歯の表面の着色や細かい汚れを効果的に除去しています。定期的なケアを続けることで、歯と歯ぐきの健康を長期的に維持できます。
予防習慣3〜食生活の見直しと栄養管理
口腔の健康は、食生活と密接に関係しています。
糖分の多い食べ物や飲み物は、むし歯の原因となる細菌のエサになります。特に、ダラダラと長時間かけて甘いものを食べたり飲んだりする習慣は、口腔内が酸性に傾く時間が長くなり、むし歯リスクを高めます。間食の回数を減らし、食後は水やお茶で口をすすぐ習慣をつけましょう。
歯と歯ぐきに良い栄養素
歯と歯ぐきの健康を保つには、バランスの取れた栄養摂取が重要です。
カルシウムやビタミンDは歯や骨の形成に不可欠で、乳製品や小魚、卵などに多く含まれます。ビタミンCは歯ぐきの健康維持に重要で、野菜や果物から摂取できます。また、よく噛むことで唾液の分泌が促され、口腔内の自浄作用が高まります。唾液には抗菌作用があり、むし歯や歯周病の予防に役立ちます。
咀嚼機能の回復は、インプラント治療の大きな目的の一つです。
しかし、天然の歯でしっかり噛める状態を維持できれば、インプラントは不要です。よく噛むことは消化を助けるだけでなく、脳の活性化や生活習慣病の予防にもつながります。食事の際は、一口30回を目安によく噛むことを意識してみてください。
予防習慣4〜生活習慣の改善と全身の健康管理
口腔の健康は、全身の健康と深く関わっています。
喫煙は歯周病の最大のリスク因子の一つです。タバコに含まれる有害物質が歯ぐきの血流を悪化させ、免疫機能を低下させます。その結果、歯周病が進行しやすくなり、治療効果も出にくくなります。禁煙することで、歯周病のリスクを大幅に減らすことができます。
糖尿病と歯周病の関係
糖尿病と歯周病は、互いに悪影響を及ぼし合う関係にあります。
糖尿病があると免疫機能が低下し、歯周病が進行しやすくなります。逆に、歯周病があると血糖コントロールが悪化し、糖尿病が悪化する可能性があります。糖尿病の方は、特に歯周病の予防とコントロールが重要です。定期的な歯科検診を受け、血糖値の管理も並行して行いましょう。
ストレスや睡眠不足も、免疫機能を低下させ、歯周病のリスクを高めます。
規則正しい生活リズムを心がけ、十分な睡眠を取ることが大切です。また、ストレスを感じたときは、リラックスできる時間を意識的に作りましょう。全身の健康を維持することが、結果的に口腔の健康を守ることにつながります。

予防習慣5〜早期発見・早期治療の徹底
どんなに予防に努めても、完全にリスクをゼロにすることはできません。
だからこそ、早期発見・早期治療が重要です。初期のむし歯や歯周病は、自覚症状がほとんどありません。痛みや腫れを感じたときには、すでにかなり進行している可能性があります。定期検診を受けることで、自分では気づかない小さな変化を早期に発見でき、最小限の治療で済ませることができます。
セルフチェックのポイント
日々のセルフチェックも大切です。
歯磨きの際に、以下の点を確認してみてください。歯ぐきの色が赤く腫れていないか、歯磨き時に出血しないか、口臭が強くなっていないか、歯がぐらついていないか、噛んだときに違和感がないか。これらの症状が一つでもあれば、早めに歯科医院を受診しましょう。
当院では、カウンセリングを重視した診療を行っています。
口腔内写真やレントゲンを撮影し、それらを一緒に確認しながら現在の状態を詳しく説明します。複数の治療選択肢を提示し、それぞれのメリット・デメリットをお伝えした上で、患者様ご自身が納得して選択できるようサポートしています。押し付けではなく、理解と納得を大切にした治療を心がけています。
まとめ〜今日から始める予防習慣で、一生自分の歯で
将来インプラントに頼らないためには、今日からの予防習慣が何より大切です。
正しい歯磨きとフロス習慣、定期的な歯科検診、バランスの取れた食生活、生活習慣の改善、そして早期発見・早期治療。この5つの予防習慣を実践することで、歯周病やむし歯のリスクを大幅に減らし、天然の歯を長く保つことができます。インプラント治療は優れた選択肢ですが、自分の歯に勝るものはありません。
赤坂ONO Dental Clinicでは、患者様一人ひとりに合わせた予防プログラムをご提案しています。
赤坂駅から徒歩1分という好立地で、平日は22時まで、土日も18時まで診療しているため、お仕事帰りや休日にも通いやすい環境です。CTやマイクロスコープなどの最新機器を導入し、精密な診査診断と治療を行っています。また、クラスB滅菌器を使用した世界基準の感染対策も徹底しています。
あなたの大切な歯を守るために、今日から予防習慣を始めませんか?
詳しいご相談やご予約は、ぜひ赤坂ONO Dental Clinicまでお気軽にお問い合わせください。一緒に、一生自分の歯で食事を楽しめる未来を目指しましょう。
監修者プロフィール
院長 小野 雄大(おの たけひろ)先生

略歴
– 2015年3月:岩手医科大学 歯科医師臨床研修 修了
– 医療法人(秋田)、岩手医科大学放射線科、神奈川県内医療法人などで幅広く勤務
– 2024年2月:赤坂ONO Dental Clinic 開業
診療スタンス
– 丁寧なカウンセリングを重視し、口腔内写真やレントゲンを用いて現在の状態をしっかり説明
– 患者さまに治療内容のメリット・デメリットを理解していただいた上で選択してもらう治療方針を実践
– 自身も歯科治療の経験があることから、「患者さまに寄り添う治療」を大切にしている

