歯科医師が教える!マウスウォッシュの正しい選び方と効果的な使い方完全ガイド|赤坂ONO Dental Clinic|赤坂駅の歯医者・土日診療

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医療コラム

歯科医師が教える!マウスウォッシュの正しい選び方と効果的な使い方完全ガイド|赤坂ONO Dental Clinic|赤坂駅の歯医者・土日診療

歯科医師が教える!マウスウォッシュの正しい選び方と効果的な使い方完全ガイド

マウスウォッシュの基礎知識

「マウスウォッシュって本当に効果があるの?」

患者さんからよくこんな質問をいただきます。実は、マウスウォッシュは正しく選び、正しく使えば、お口の健康維持に非常に有効なアイテムなのです。しかし、種類が多すぎて何を選べばいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

マウスウォッシュには「洗口液」と「液体歯磨き」の2種類があります。洗口液は歯磨き後に使用し、口をすすぐだけで効果を発揮します。一方、液体歯磨きはブラッシングと併用して歯磨き粉の代わりとして使うものです。この違いを理解することが、適切なマウスウォッシュ選びの第一歩となります。

私が診療の中で感じるのは、多くの方がマウスウォッシュの種類や効果を十分に理解せずに使用しているということです。せっかく使うなら、自分のお口の状態に合ったものを選び、最大限の効果を引き出したいですよね。

お口の悩み別マウスウォッシュの選び方

口臭が気になる方へ

口臭の原因は主に2つあります。歯周病菌などの口腔内細菌が出すガスと、舌の上に溜まった汚れ(舌苔)です。実は、お口の中には約500種類もの細菌が常在菌として存在しており、歯磨きが上手な人でも1000億個、あまり上手ではない人だと5000億個、ほぼ磨かない人では1兆個もの細菌が定着しているといわれています。

さらに注目すべきは、これらの細菌の約75%が頬や舌などの粘膜に付着しているという点です。つまり、歯磨きだけでは口臭の原因となる細菌全体の25%程度にしかアプローチできないのです。

口臭対策には、殺菌成分(IPMP・CPC等)が配合されたマウスウォッシュがおすすめです。特に塩化亜鉛が配合されているものは、細菌が出すガスと結合して嫌なニオイを抑制する効果が期待できます。クロルヘキシジンや塩化セチルピリジニウム(CPC)といった成分も、口臭の原因菌を減らす働きがあります。

虫歯予防を重視する方へ

虫歯予防にはフッ素が配合されているマウスウォッシュが効果的です。厚生労働省が発行している「フッ素洗口マニュアル2022」によれば、小学校6年間フッ化物洗口を実施することで40~50%程度の虫歯予防効果が得られています。また、洗口開始年齢が低いほど、高い虫歯予防効果が得られることも分かっています。

成人を対象にした研究でも、フッ化物濃度225ppmで週5回洗口を行った場合、約40%の虫歯抑制率が得られたという報告があります。高濃度フッ素配合の歯磨き粉と併用することで、さらに高い虫歯予防効果を発揮することができるのです。

歯周病が気になる方へ

歯周病予防には、殺菌成分と抗炎症成分の両方が配合されているマウスウォッシュを選びましょう。殺菌成分としてはIPMP(イソプロピルメチルフェノール)やCPC(塩化セチルピリジニウム)、抗炎症成分としてはグリチルリチン酸やTXA(トラネキサム酸)などが効果的です。

ただし、マウスウォッシュはあくまでも補助的なものです。歯茎が腫れていたり、虫歯があったりする場合は、まず歯科医院でお口の状態を診てもらうことが大切です。

アルコール配合とノンアルコール、どちらを選ぶべき?

マウスウォッシュを選ぶ際、アルコール配合かノンアルコールかで迷う方も多いでしょう。それぞれにメリットとデメリットがあります。

アルコール配合のマウスウォッシュは強い爽快感が得られるのが特徴です。しかし、刺激が強いため、口に入れた瞬間からピリピリして痛いと感じる方もいます。また、アルコールを毎日使用すると唾液を減らし、口内が乾燥することがあるのです。

一方、ノンアルコールタイプは刺激が控えめで、毎日使いやすいというメリットがあります。特に加齢や糖尿病・高血圧などの治療薬によって口内が乾燥しやすい方には、ノンアルコールタイプがおすすめです。

私の臨床経験から言えば、1日のルーティンとしてマウスウォッシュを使用したい場合は、ノンアルコールタイプを選ぶのが良いでしょう。アルコールタイプは、歯磨きができない場合にサッと口内をゆすぐ目的での使用にとどめておくことをおすすめします。

効果的なマウスウォッシュの使い方

使用するタイミング

マウスウォッシュ(洗口液)は、基本的に歯磨き後に使用します。歯磨きで物理的に歯垢を除去した後、マウスウォッシュで口腔内全体を殺菌・洗浄することで、より高い効果が得られます。

外食後など歯磨きが難しい場合にも、マウスウォッシュは有効です。ただし、これは一時的な対処法であり、できるだけ早めに歯磨きをすることが大切です。

適切な使用量と時間

多くのマウスウォッシュは、約20~30秒間口に含んでブクブクとすすぐことが推奨されています。使用量は製品によって異なりますが、一般的には10~20ml程度です。適切な量と時間を守ることで、成分が口腔内全体に行き渡り、効果を最大限に発揮できます。

使用後は水ですすがないことも重要なポイントです。せっかくの有効成分を洗い流してしまうことになるからです。ただし、刺激が強すぎて気になる場合は、軽くすすいでも構いません。

マウスウォッシュだけでは不十分

ここで強調しておきたいのは、マウスウォッシュは歯磨きの代わりにはならないということです。歯垢や汚れの除去にはブラッシングが不可欠です。マウスウォッシュはあくまでも口腔ケアの補助的なアイテムとして、歯磨きと併用することで真価を発揮します。

歯科医がおすすめするマウスウォッシュ5選

虫歯予防重視なら「メディカルコート」「エフコート」

フッ素配合で虫歯予防効果が高いマウスウォッシュです。特に虫歯になりやすい方や、お子様の虫歯予防にもおすすめです。歯科専売の洗口液はフッ素濃度が市販品の約2倍となっており、高い虫歯予防効果が期待できます。

口臭・歯周病予防なら「ハイザック」

殺菌成分と抗炎症成分がバランスよく配合されており、口臭と歯周病の両方にアプローチできます。歯周病が気になり始めた方に特におすすめです。

総合的なケアなら「リステリン クールミントゼロ」「モンダミン ハビットプロ」

虫歯予防、歯周病予防、口臭予防など、総合的な口腔ケアができるマウスウォッシュです。ノンアルコールタイプもあり、刺激が苦手な方でも使いやすくなっています。

ただし、これらはあくまで一般的なおすすめです。最適なマウスウォッシュは、あなたのお口の状態によって異なります。歯科医院で口腔内診査を受け、自分に合ったマウスウォッシュを選ぶことが最も確実な方法です。

マウスウォッシュに関するよくある誤解

「マウスウォッシュだけで歯磨き不要」は大きな間違い

マウスウォッシュは口腔内の細菌を減らし、口臭を予防する効果がありますが、歯に付着した歯垢や汚れを物理的に除去することはできません。必ず歯磨きと併用することが大切です。

「刺激が強いほど効果が高い」わけではない

アルコール配合のマウスウォッシュは刺激が強く、爽快感がありますが、それが効果の高さを意味するわけではありません。むしろ、刺激が強すぎると口腔粘膜を傷つけたり、唾液分泌を減少させたりする可能性があります。

「高価なものほど良い」とは限らない

価格が高いマウスウォッシュが必ずしも優れているわけではありません。大切なのは、自分のお口の状態に合った成分が配合されているかどうかです。

まとめ:あなたに合ったマウスウォッシュで健康な口腔環境を

マウスウォッシュは、正しく選び、正しく使うことで、お口の健康維持に大きく貢献します。口臭が気になる方は殺菌成分配合のもの、虫歯予防にはフッ素配合のもの、歯周病予防には殺菌成分と抗炎症成分配合のものを選びましょう。

また、毎日使用するならノンアルコールタイプがおすすめです。アルコールタイプは一時的な使用にとどめ、口腔内の乾燥を防ぐことも大切です。

最も重要なのは、マウスウォッシュは歯磨きの補助的なアイテムであるということです。毎日の丁寧な歯磨きと、定期的な歯科医院でのクリーニングを基本とし、そこにマウスウォッシュを加えることで、より健康な口腔環境を維持できます。

赤坂ONO Dental Clinicでは、患者さん一人ひとりの口腔内状態に合わせた予防プログラムをご提案しています。マウスウォッシュの選び方や使い方についても、丁寧にアドバイスさせていただきます。お口の健康について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

詳細はこちら:赤坂ONO Dental Clinic

監修者プロフィール
院長 小野 雄大(おの たけひろ)先生

赤坂駅から徒歩1分の歯医者・歯科クリニック 赤坂ONO Dental Clinicの院長 小野 雄大

略歴
– 2015年3月:岩手医科大学 歯科医師臨床研修 修了
– 医療法人(秋田)、岩手医科大学放射線科、神奈川県内医療法人などで幅広く勤務
– 2024年2月:赤坂ONO Dental Clinic 開業

診療スタンス
– 丁寧なカウンセリングを重視し、口腔内写真やレントゲンを用いて現在の状態をしっかり説明
– 患者さまに治療内容のメリット・デメリットを理解していただいた上で選択してもらう治療方針を実践
– 自身も歯科治療の経験があることから、「患者さまに寄り添う治療」を大切にしている

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