唾液の質がカギ!虫歯・歯周病を防ぐ最新予防法と唾液力アップ術
唾液が持つ驚くべき力とは
普段、私たちは唾液の存在をほとんど意識することがありません。
しかし、実は唾液には虫歯や歯周病を防ぐための驚くべき力が備わっているのです。唾液は単なる口の中を潤す液体ではなく、口腔内の健康を維持する上で非常に重要な役割を果たしています。
唾液には「消化作用」「保護作用」「自浄作用」「排出作用」「再石灰化作用」「緩衝作用」「抗菌作用」という7つの主要な働きがあります。特に虫歯や歯周病の予防において重要なのが、抗菌作用と再石灰化作用です。唾液に含まれる抗菌物質が細菌の繁殖を抑え、酸を中和することで歯を保護してくれるのです。
近年の研究では、唾液に含まれる「IgA抗体」が新型コロナウイルスの感染予防にも役立つ可能性が示されています。IgA抗体は鼻や口の粘膜を守る抗体で、ウイルスや細菌などの外敵の侵入を防ぐ第一防衛ラインとして機能します。
つまり、唾液の質を高めることは、虫歯や歯周病だけでなく、全身の健康を守ることにもつながるのです。

唾液の「量」と「質」が虫歯リスクを左右する
虫歯になりやすい人とそうでない人がいるのはなぜでしょうか?
実は、唾液の「量」と「質」の違いが虫歯のなりやすさに大きく影響しています。同じ食生活をしていても、唾液の分泌量や成分の違いによって、虫歯を防ぐ力に個人差が生じるのです。
唾液の量が少ないと虫歯になりやすい理由
唾液の分泌量が少ないと、口の中の自浄作用が働きにくくなります。その結果、歯垢や酸が残りやすくなり、虫歯が発生しやすくなるのです。
唾液量が減る主な原因としては、加齢、薬の副作用、ストレス、口呼吸などが挙げられます。特に抗うつ薬や抗アレルギー薬を服用している方は、副作用として唾液が減る場合があるため注意が必要です。また、緊張や不安が続くと唾液腺の働きが低下し、口が乾燥しやすくなります。
唾液が不足すると、細菌や酸の活動が抑えられなくなり、虫歯だけでなく歯周病や口臭の原因にもつながります。
唾液の「質」も虫歯予防に重要
唾液の量が十分でも、質が悪いと虫歯を防ぐ力が弱くなることがあります。唾液にはカルシウムやリン酸、フッ素など歯の再石灰化に必要な成分が含まれており、これらのバランスが重要なのです。
唾液の質に関わる重要なポイントは以下の通りです。
- カルシウム・リン酸濃度:歯を修復するために不可欠
- フッ素の有無:再石灰化を促進する
- pHの安定性:酸性に傾きやすいと虫歯リスク増大
- 抗菌成分(リゾチームなど):細菌抑制効果が高いほど有利
唾液の質は体質や生活習慣、栄養状態によっても左右されます。そのため、虫歯予防には「量」と「質」の両方を意識する必要があるのです。
脱灰と再石灰化のメカニズム
虫歯がどのように発生するのか、そのメカニズムを理解することが予防の第一歩です。
口の中では常に「脱灰」と「再石灰化」が繰り返されています。脱灰とは、虫歯の原因菌が作り出した酸によって歯のミネラルが溶け出す現象です。一方、再石灰化とは、唾液中のミネラルが歯の溶けた部分を修復する作用のことを指します。
食事をすると、虫歯の原因菌が糖をエネルギー源として酸を生成し、歯を溶かします。この脱灰が起きても、唾液の持つ再石灰化機能によって修復されるのですが、再石灰化が進まなければ脱灰が進んで虫歯になってしまいます。
脱灰と再石灰化のバランスが崩れる原因
脱灰と再石灰化のバランスが取れていれば、虫歯にはなりません。しかし、甘い飲み物やお菓子などを1日に何度も飲食していると、細菌は酸を作り続けることになるため脱灰し続け、唾液による再石灰化が追いつかなくなってしまいます。
その結果、酸によってどんどん歯が溶かされ、虫歯が進行してしまうのです。これを改善するためには、一日の決まった時間にだけ甘いものを飲食するように食生活を改善することが必要です。
また、歯ブラシやデンタルフロスなどを使って丁寧に歯磨きなどのデンタルケアを行い、数ヶ月に一度は歯科医院の定期健診を受けて細菌の棲み家である歯垢や歯石を徹底的に除去することが大切です。

唾液力をアップさせる食事と生活習慣
唾液の質を高めるには、日常生活の改善が効果的です。
特に食事内容と生活習慣を見直すことで、唾液の分泌量を増やし、質を向上させることができます。
乳製品の摂取で唾液の質を向上
乳製品の摂取は唾液の質を高めるのに効果的です。特にヨーグルトは、唾液中のIgA抗体を増やす効果が期待できます。研究によると、平均80歳の高齢者36人に3ヶ月間、毎日100gのヨーグルトを食べてもらったところ、33人の唾液の量が増え、IgA抗体も増加していました。
ただし、食べなくなるとまた減ってしまうため、継続することが重要です。R-1乳酸菌を含むヨーグルトは、インフルエンザウイルスに反応するIgAが増えるため特におすすめです。
食物繊維を豊富に含む食材の活用
芋類やレンコン、ゴボウなどの根菜類、また海藻などの食物繊維を豊富に含む食材を毎日の食事に取り入れることも効果的です。食物繊維が豊富な食材は、よく噛むことで唾液の分泌が促されます。そのため、歯周病の原因菌を洗い流し、口内環境を改善してくれる効果があります。
さらに食物繊維には、糖尿病を予防してくれる効果もあります。糖尿病は歯周病との関連性が深いことで知られており、糖尿病が悪化すると歯周病を発症することも考えられます。水溶性食物繊維は糖質の吸収速度を緩慢にするため、インスリン産生に負担をかけないように働くことで糖尿病を予防でき、間接的に歯周病を予防することにもつながります。
適切な水分補給の方法
水分を十分にとることも唾液の分泌を促すために重要です。ただし、一度にたくさんの水を飲むのではなく、1回につきコップ1杯200cc程度の水を5~6回にわけてゆっくり飲むことがポイントです。これを朝昼晩、できれば寝る前も飲むようにしましょう。
温度は冷たい水よりも白湯がおすすめです。冷たい飲み物はかえって逆効果になることがあります。水や白湯以外の飲み物を飲む場合はアルコールやカフェインを含まないものを選びましょう。ただし緑茶はカフェインを含みますが、水出し、またはぬるめのお湯で抽出した緑茶は唾液中のIgA抗体を増やす効果が期待できます。
よく噛む習慣で唾液分泌を促進
よく噛むことは唾液の分泌を促すだけでなく、消化を助け、脳の活性化にもつながります。ひと口で30回を目安に噛むようにしましょう。にんじん、ごぼう、れんこん、ナッツなど歯ごたえのある食材を取り入れることで、自然と噛む回数が増えます。
また、食材が柔らかくなり過ぎないように、切り方や火の通し方を工夫することも大切です。一口食べ物を口に入れる度に箸を置くことで、ゆっくりと噛む習慣が身につきます。テレビやスマホを見ながらではなく、食事に集中することも重要です。

歯周病と腸内環境の意外な関係
最近の研究で、歯周病が口腔内だけの問題ではないことが明らかになってきました。
歯周病以外に全身的な疾患のない患者と健康な対象者の唾液、ならびにふん便中の細菌叢を網羅的に解析した研究では、歯周病患者では唾液中の細菌叢だけでなく腸内細菌叢にも乱れが生じていることが突き止められました。また、歯周病を治療することで唾液中の細菌叢だけでなく、腸内細菌叢も変化することが明らかになっています。
これは、ヒトにおいても腸内細菌叢が病的口腔細菌叢の影響を受けることを示すとともに、歯周病治療・予防により健全な口腔細菌叢を回復し、それを維持することが全身の健康にとっても重要であることを明確に示唆しています。
歯周病が全身疾患に影響を与えるメカニズム
近年の疫学研究により、歯周病は口腔内固有の疾患であるのみならず、心血管疾患、2型糖尿病、代謝機能障害関連脂肪性肝疾患、関節リウマチ、炎症性腸疾患、アルツハイマー病、ある種のがんなど、口腔からは遠隔の組織・臓器の疾患リスクを有意に上昇させることが報告されています。
これらの因果関係を説明するメカニズムとして、歯周炎病変部から侵入した細菌による菌血症、病変部で産生された炎症メディエーターの血中への流入が考えられてきました。しかし、近年では腸内細菌叢の乱れを介して病態が悪化することが注目されるようになっています。
唾液検査で自分の虫歯リスクを知る
自分の唾液の状態を知ることは、効果的な虫歯予防の第一歩です。
歯科医院では「唾液検査」によって唾液の量やpH、緩衝能などを測定できます。これにより虫歯リスクの程度を数値化でき、予防計画を立てやすくなります。
唾液検査で分かること
唾液検査では主に以下の3つを調べます。
- 唾液分泌量:唾液には口の中を洗浄する働きや殺菌作用などがあります。唾液が十分に分泌されることで口の中を清潔に保てます。また、唾液には再石灰化を促進する働きがあるので、歯を強くして虫歯から歯を守ってくれます。
- 唾液緩衝能:酸性に傾いた口の中の環境を中和させて脱灰が起こりにくくする働きのことを言います。この唾液緩衝能が弱いと、口の中は脱灰が起こりやすい環境となるため、虫歯になりやすくなります。
- 細菌数:虫歯の発生・進行に関係している「ミュータンス菌」と「ラクトバチラス菌」の数を調べます。細菌の数が多いほど、虫歯が発生しやすく進行しやすくなります。
唾液検査の方法
唾液検査は、唾液を採取するだけなので、痛みなどはありません。時間もかかりませんので、手軽に受けていただける検査です。
まず、5分程度味のないガムを噛んでいただき、唾液を採取します。これにより、唾液が十分に分泌されているかどうかがわかります。また、採取した唾液を試験紙につけて、唾液の緩衝能(中和力)も調べます。
次に、舌に棒状の試験紙をつけて、舌の上に存在している細菌を採取します。採取した細菌を培養して、ミュータンス菌とラクトバチラス菌が口の中にどれだけ存在しているのかを知ることができます。細菌を培養するため、結果は後日お知らせします。
唾液検査をおすすめする方
歯のある人ならば、誰もが虫歯予防が必要になります。そのため、唾液検査は虫歯を予防したい全ての人におすすめしたい検査です。中でも次に当てはまる方には、特におすすめです。
- 虫歯になりやすい(と思っている)人
- 丁寧に歯磨きしているつもりなのに虫歯になる人
- 将来に多くの歯を残したい人
- 虫歯になりたくない人
- 虫歯が多い(治療済の歯が多い)人
- 効果的に虫歯を防ぎたい人
赤坂ONO Dental Clinicでできる予防歯科
虫歯や歯周病を防ぐためには、日々のセルフケアと定期的な歯科医院でのプロフェッショナルケアの両方が重要です。
赤坂ONO Dental Clinicでは、患者様一人一人に合った予防歯科プログラムを提供しています。カウンセリングを重視し、口腔内写真やレントゲンを撮影して現在の病態を詳しく説明し、複数の治療選択肢を提示します。それぞれのメリット・デメリットを説明した上で、患者様の理解と納得を得てから治療を開始するというアプローチを採用しています。
当院では、CTやマイクロスコープを用いた精密治療、歯科用レーザーを使用した痛みに配慮した治療、クラスB滅菌器を使用した世界基準の感染対策など、最新の設備と技術で患者様の大切な歯を守ります。
赤坂駅7番出入り口から徒歩1分という好立地で、平日(月・水・木)は22時まで、土日は18時まで診療を行っており、お仕事終わりや平日通院が難しい方にも対応しています。
唾液の質を高め、虫歯や歯周病を防ぐためには、専門家による定期的なチェックとクリーニングが欠かせません。気になる症状がある方、予防歯科に興味がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
詳しい診療内容や予約方法については、赤坂ONO Dental Clinicの公式サイトをご覧ください。皆様の健康な歯と笑顔を守るお手伝いをさせていただきます。
監修者プロフィール
院長 小野 雄大(おの たけひろ)先生


