当院の保険の根管治療
- 2024年7月4日
- 治療(歯内)
【根管治療とは】
歯の根の治療は根の中の神経が細菌に感染した、又は1度治療の終えた根が再度感染した症例に対し根の中をキレイにして、詰め物をする治療です。
【根管治療の成功率】
神経が細菌感染した症例の治療は早期発見において80~90%で治癒するとの報告があります。しかし治癒が必要にもかかわらず放置し、根の先に膿ができるようになると治癒率は10%以上低下します。これは放置した期間が長いほど成功率は落ちていきます。
また、1度治療を終えた根の再根管治療は50~60%程度です。
根の治療は他の歯科治療よりも早期発見による治療や術者の技術、良い材料を使用することによって大きく治癒率を上げられる治療です。
【当院の根管治療の手順】
(当院は今は自費の根管治療は行っておりませんが、機材は揃っておりますので保険治療に使用することが多いです。)
①診断:問診、レントゲンなどにより神経治療が必要かどうかの診断を行います。
保険では必ず撮影できるとは限りませんが、CT撮影を行うと根の数や根の湾曲、方向など詳細 を知ることができます。
②虫歯の除去と神経の部屋まで歯を削除する。
虫歯を取り残すと感染源となります。
マイクロスコープやルーペを使用するとより精度が高くなります。またう蝕検知液などで感染 した歯を染め出し削合します。
③根管口明示
根の管の入口を分かりやすくするために少し削ります。(一般的な手順です。)
④神経を取り出し根管の中を掃除する。
一般的には手用のファイル・リーマーという器具で根の中をキレイにしていきますが、根の中 が粗造になり最後に詰め物をしたときに隙間ができてしまうので、Tri Auto ZX2+(電動の根のクリーニング器具)、薬剤Rc-prep(潤滑剤)などを用いて根管内を滑らかにしていきます。
⑤消毒:次亜塩素酸、EDTA、生理食塩水、ウルトラファインバブル水などにより根の中を消毒します。洗浄針の超音波によるキャビテーションを行います。
(④と⑤は何度か繰り返し中をきれいにしていきます。)
⑥根管充填:根の中の詰め物です。GP(ガッタパーチャポイント)、キャナルスシーラーを使用し充填します。
お願い:最後の充填剤は自費になりますがMTAを使用されたほうが治癒効果が大きく上がります。(キャナルスは早期に溶け出し消失します。MTAは殺菌効果があり、充填後わずかに膨張するので側枝などの隙間をふさぐことができます。)
被せ物は保険でも大きく差はありませんが(見た目の差は大きいです。)、根の充填はかなり大きく予後に影響します。
他院と比較し料金を限界まで抑えていますので、根の充填は是非MTAの使用をお願いします。
【治療の時期】
根管治療を必要とする症例は、確認したら直ぐに治療を行うことを推奨します。
虫歯も同じですが放っておいて治癒することは絶対にありえません。時間の経過と共に悪化していきます。
早期に治療を行えば治癒できた歯が、痛みがないから放っておいたために細菌の感染が広がり抜歯に至るケース。患歯だけではなく感染が広がり隣の歯の治療を必要としてしまったケースを多く見られます。
見て見ぬふりや痛くないから大丈夫と考えている間に感染は広がります。
【まとめ】
当院は根の治療に時間をかけます。医療従事者としてできる限り歯を残す努力、抜歯だとしてもその先のことを考え可能な範囲で患者の意に沿った提案をしていきたいと考えております。
今悩んでいる方がいらっしゃれば、どのような提案をするか、どのような治療をするか、料金はどのくらいかかるかなど相談だけでも良いので、1度当院に来院していただければ幸いです。