セカンドオピニオン
- 2024年4月7日
- セカンドオピニオン
セカンドオピニオンとは、患者が納得のいく治療を選択できるように、違う医療機関に相談して意見を聞いてみることです。
歯科医院に受診し、抜歯といわれたが残す方法がないか、違うかぶせものやつめものはないか、神経を取らなければいけないと言われたが、取らない方法はないか、治療後の違和感や痛みなど本人が納得していないことや他の方法を知りたいことなど異なるクリニックの意見を聞くことができます。
セカンドオピニオンの利点として、客観的な意見を聞くことができる。場合によっては別の治療の方法を知ることができる。自費の場合は金額の相場なども確認できる。納得してから治療を始められる。誤診の防止。主治医には聞きにくいことも質問できるなどがあります。
客観的な意見や治療法に関してよく聞かれることは抜歯・神経治療・再生治療についてです。
・抜歯に対しての一般的な診断基準として
歯を支える骨(歯槽骨)が、その歯根の2/3以上のなくなってしまっている場合。
歯周病の進行度合いを診査する「歯周基本検査(ポケット測定)」の数値が、8~10㎜以上の場合。
歯を触ると歯が、垂直的に浮き沈みするほど動揺している場合。
歯が縦に折れ、歯根の先端にまで及んでいる場合
とされていますが、それだけではなく他の歯に悪影響を及ぼしてしまうものや水平破折でも大きく欠損してしまうものなど患者の口腔内状況によっても抜歯相当と判断されることもあります。また、ドクターによっても厳しめの判断をする方やできる限り残す方法をとる方など様々です。一見できる限り残す方法をとることが良いように見えますが隣の歯に感染するリスクもありますので、難しい判断となります。
・神経治療に関しては、基本的に感染した神経は不可逆的であり元には戻りません。しかし、神経の部屋に通じる穴への薬剤塗布による治療や神経の1部のみ切除し薬剤を塗布する保存療法などがあります。
・歯周病がなかなか治癒しない、歯周病により周囲の骨が溶けてしまっているため抜歯が必要な症例に関しては、歯周組織を作り出す再生療法や外科療法があり、歯周病の進行状況によっては治癒することができます。
近年の技術や機器機材はひと昔前には絶対に抜歯と言われた歯牙でも残せる場合がありますので、抜歯を宣告されてもセカンドオピニオンを受けてみるのも考えの1つです。
セカンドオピニオンの欠点として、お金がかかってしまう、同じ診断をされることが挙げられます。
これらのデメリットに関しては、仕方のないことであると考えております。
セカンドオピニオンの相場として自費になるので¥10.000~¥50.000と幅があります。場所によっては保険の検診として相談を受け付けているところもあります。その場合は¥4.000程度です。
同じ診断をされることに関しては主治医の診断が間違っていないことを確認できるのでデメリットとまでは言えないかもしれません。
セカンドオピニオンを受けるために注意しておきたいことは、相談内容や質問をあらかじめ固めておくということが1番大事になります。相談が固まっていなければセカンドオピニオンを受けた側も何を意見すればよいか、何を知りたいかが分からなくなります。
また、現在の歯科の診断は人の目では見えない部位なども正確に理解した上で診断を下せるようになっています。そのためには高度な機器が必要となりますので、少なくともCTは設置している歯科を選ぶことが大事です。
歯科治療は進めてしまうと、戻せないことも多いので後々「違う方法があったかもしれない」と後悔しないよう、疑問に思った場合は治療を進めずにセカンドオピニオンを相談することも方法の1つだと思います。